私たちの研究室では、木材とその構成成分(セルロース、ヘミセルロース、リグニン、抽出成分)をはじめ、関連する多糖類、天然ゴム、構造タンパク、脂質などの各種生物由来素材(バイオマス)を対象に、それらを次世代型の新しい機能材料の構築ベースとして発展させるために、高分子の精密合成、分子・材料特性を究める基礎物性研究、人類の未来に貢献する応用研究を推進しています。
研究室の方針
2018年12月1日付で上高原が当分野の教授に着任しました。
研究方針として、『精密合成技術を基礎とした高分子化学』を駆使し、バイオマス構成成分の分子レベル・分子集合体レベルにおける構造-物性相関を明らかにし、基礎から応用まで質の高い業績を世界に発信することを目標とします。
Harverd大学のG. M. Whitesides教授は以下のように述べています。
A paper is an organized description of hypotheses, data and conclusions,
intended to instruct the reader. Papers are a central part of research.
If your research does not generate papers, it might just as well not have
been done. "Interesting and unpublished" is equivalent to "non-existent".
(Essay "Whitesides' Group: Writing a Paper", Advanced Materials,
2004, 16 (15), 1375.)
我々は常にこの言葉を心に留めています。
その上で研究室に所属する学生の皆さんに対し、以下の約束を致します
1. 我々の研究室では、有機化学・高分子化学について基礎教育を行います。
2. 予想外の結果に潜む重要な発見を見逃さない観察力を育みます。
3. 粘り強いあきらめない研究姿勢を育みます。
4. バイオマス研究における未解決問題の解明に真摯に向き合います。
当研究室に配属される学生の皆さんには実験〜プレゼンテーション〜論文作成のサイクルを一通り経験してもらいたいと考えています。順調に実験が進めば、4回生で最初の学会発表、修士課程1回生終了時までに筆頭著者で論文執筆が可能です。このような実績がつめれば、民間企業への就職、大学院博士後期課程進学し研究者の道を選択する、いずれの場合でも大変有利であることは間違いないでしょう。日本学術振興会の特別研究員に採用されれば、博士課程において安心して研究に打ち込めます。我々は学生諸君のポテンシャルを引き出し、学術界、産業界においてリーダーとなり得る基礎的な素地を養いたいと考えています。昨今、大学院博士後期課程に進学する学生が減少していますが、我々は将来のバイオマス研究分野を担う研究者の養成を極めて重要視しています。産業界においても博士号は世界の企業人と対等に渡り合うために必須でしょう。研究を通して、有為な人材を社会に送り出すことが研究室の使命です。
研究室に興味がある学生諸君はぜひ研究室の見学にいらしてください。
上高原 浩
研究室の沿革
- 1967年
- 1965年度に創設された林産工学科に木材加工材料学講座(横田徳郎教授)が開設された
- 1986年
- 横田徳郎教授定年退官後、白石信夫教授が着任した
- 2000年
- 白石信夫教授定年退官後、10月より西尾嘉之教授が着任した
- 2018年
- 西尾嘉之教授定年退職後、12月より上高原が教授に着任した